恐竜のおっぱい

今日、高速バスに乗ったら、ちょうどぼくの斜め前と前の席に四人連れの親子が座った。
最初、中学生くらいのお兄ちゃんだけ別に座っていたのだが、父親の隣が空いたので促されてそこに移ってきた。
四人はどうも黄河の恐竜博を見に来たらしい。
いかにも夏休みといういで立ちの子供たちであった。

頭のよさそうな小学三年生の男の子が、お兄ちゃんを質問攻めにしている。
ところが、この質問がなかなかマニアックである。
「始祖鳥はこれまで鳥の祖先と言われてきましたが、現在の研究ではむしろ何の祖先に近いと言われているでしょうか?」
みなさんは答えられますか?
ぼくの怪しい記憶だと確か…数年前発見された小型の肉食恐竜の骨格標本が始祖鳥に極めて似ていることがわかった…でしたよね。

お兄ちゃんの答えは席の関係でよく聞き取れないのだが、落ち着いて受け答えしているところを見るとお兄ちゃんもなかなか頭が良さそうだ。
でも、このお兄ちゃんは「そんなのわからないよ。だって、そういうことも可能性としては捨てきれないからね」というフレーズにハマっているようだった。
何かにつけて、そう付け加えるのだ。わかるよね、このハマり方。間違いなく、中学生くらいの時ですよ…。
こういうちょっと大人びた言い方をしたくてたまんない頃って皆さんも経験あるでしょう?

で、この弟が質問攻めに飽きてきた頃、栄の久屋大通りの裸婦像を指さしてお母さんに「見て、見て、あれ」と言っている。お母さんが「なにぃ?おっぱい?」と言ったら、ニコニコ笑って頷いている。
その時、このお兄ちゃんがこう言った。
「羽毛を持った恐竜がいるのと一緒で、大きなおっぱいを胸に二つぶら下げた恐竜がいたかもね」。
弟が目を丸くして「えーーっ!」と叫んだ。

ぼくはこの時思わず吹き出してしまった。
「そんなのわからないよ。だって、そういうことも可能性としては捨てきれないからね」。
お兄ちゃんはそのフレーズが言いたかったのだろうが、ぼくのプッという方が優った。
ぼくは、降り支度をしながらこのお兄ちゃんに言った。
「ごめんね。知らないおじさんが邪魔して。でもね、おっぱいを持った恐竜だけはいなかったと思うよ。だって、哺乳類じゃないものね。生まれてくるのも卵だし…」

お母さんが、びっくりしたような顔をして、「あ、ありがとうございました」とおっしゃる。
こっちが慌てて、挨拶もそこそこにバスを降りた。
なにか恐竜の専門家とでも思われたのだろうか?
でも、派手な原色の羽毛とおっぱいを持った恐竜を想像して、会社に着くまでニタニタ笑って歩いていた。

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