Yくん-1

ザッケローニ・ジャパン。
ペルー戦を何げに見ていてハッとした。
観客席にいる男がぼくの昔の友人にめちゃくちゃ似ている。
Yくんだ。

でも、あいつももう60過ぎだから、絶対別人なんだがそれにしてもよく似ている、そう思った。

そして、実にくだらないことを思い出した。

Yくんとその昔、一度は行きたいと評判の奥志賀スキー場へ行ったことがある。
奥志賀スキー場は、当時、東京からも関西からもお金持ちの娘が多く来ると言われていたスキー場だった。
大学の友だちなどと四人で結構奮発して、おしゃれなロッジに宿をとった。
絶対、愛くるしいお嬢さんが何人かいるってという男どもの期待も虚しく、若い女性客は泊まっていなかった。
「ちぇっ、いねぇのかよ。なけなしの金をはたいて来たっていうのに…」。
Yくんは宿をとったぼくに毒づいた。
「まぁ、まぁ、スキー場で可愛い子に声かけようよ」
そう言って、早速に着替えて、ゲレンデへ向かった。
すると、百メートルくらい先の落ち着いた感じのロッジにどこかの女子大のコたちがいた。
でも、スキー部の合宿らしく、およそナンパするような感じではない。

「なんだよ、スキー部はダメだって…。ゴーグルでサル焼けしているブサイク女なんかいらねぇ」。
ここでも毒づかれた。
「おい、見てみろよ、あいつら。一日券、首からぶら下げて、どこのイモねぇちゃんだよ。ああいうグループに深窓の令嬢はいないって」。
リフト乗り場でも言いたい放題だった。

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