テーマ:自作詩

自作詩「こころの処方箋」

その時、 ぼんやり、 つまらないことを考えていた。 からだは衰えてもこころがしっかりしていれば、幸せなのだろうか? アウトレットモールを一周しただけで、もう膝が痛い。 だから、こうしてベンチに座り込んでいる。 老いた自分は自分ですら手に余る、 そう思っていた時だ。 前をバギーカーに乗った小…
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自作詩「卒業する君へ」

卒業する君へ ぼくはお金がないから言葉を贈ろう 君は、社会に出るのが怖いといった 大丈夫だよ、君は賢いから でもね、 きっと思いもかけなかったことをいくつも経験するよ 呆れることだってある 怒れることだってある 聞きたくなかったことば、理不尽なことばだって聞かされる 思わず叫ぶことだ…
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自作詩「熱帯魚」

熱帯魚と目が合った 「ふん」という感じでむこうに行った 奇妙な形の岩陰に隠れて、また出てきた 泳ぎを楽しんでいるわけじゃない 自分のきれいな模様を見せびらかしているわけでもない かといって、なにか別の目的があるわけでもなさそうだ ただ、ゆらゆらとあっちに行ったり、こっちに来たり こんな狭い水槽の…
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自作詩「雨の日曜日」

雨の日曜日 今まで何度もあったはずの雨の日曜日 なのに、今日の雨はどこかが特別だ その静けさが老いた僕に語りかけてくる いろんなことがあったけど、いい人生だっただろ?と そうだね、ぼくは微笑む 「雨の時の土の匂いっていいよね」 母の言葉がよみがえってくる そうだね、とぼくは応える 雨…
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自作詩「死ぬのがこわくなくなる薬」

なに、死ぬのがこわい? だったら、これがお薦めです え、これ…、詩のお薬 いやいや、詩、ポエムの方です。 デスの方ではありません でも、ま、「死」を飲みこむ、そういう語呂合わせもありますか なに、効くかですって? これが効くんです どうなるかですって? どうにもなりません ただ…
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自作詩「踊るX」

いつもはどちらかというと暗いX X線とかXデーとか、真犯人Xとか… でも、この日だけは 町中に溢れて踊っている X’mas、X’mas、X’mas Xがショーウィンドウで 店頭で 音楽で この日ばかりはと踊っている 一年の憂さを晴らすように よかった、よかった X’mas…
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自作詩「しわぶき」

街が霧に包まれている 霧は何か知らせたくない秘密を覆い隠しているようだ 少し行くと、少しどいてくれる でも、肝心な秘密は守り通している なんの秘密なのだ 気になったその時 近所のおじいさんのしわぶきの声が一つ微かに聞こえた 咳き込む息が苦しそうだ で、その時、気がついた あぁ、おじい…
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自作詩「兄き」

奥さんの葬儀の日、兄は小さくなっていた 斜めに立って、喪主のあいさつをしていた 涙声になって、何を言ってるかわからなかった あの兄が 右に倒れて立っていた むかしの兄は強かった 鉄棒と水泳で鍛え上げた上半身は筋肉隆々だった 髪は黒く、針金のようにピンと立っていた その髪も、すっかり白くなっ…
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自作詩「終わり」

彼女はこう言った。 「終わるね」。 終わりね、じゃなかった。 彼女は、ぼくの最後の言葉に聞こえぬふりをして、雑踏の中に消えていった。
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自作詩「幸せのありか」

ほら、ごらんなさい、この児 耳たぶがぷくんぷくんでしょ この児は幸せな人生を送るわよ 赤ちゃんが、どれくらい幸せな人生を歩むか、は耳たぶを見ればいいの 神さまは、幸せを耳たぶに入れてこの世に送り出すんですって だからね いい言葉しか届かないの ううん、向こうのお母さんは父親似のところを探して、自…
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自作詩「のぞき込む」

老犬がぼくを見上げた ぼくの瞳をのぞきこんで、またゴロンと横になった 青空の下 老いたもの同士、なにも言わずふたつ転がっていた 月の囁き、星のうた: 夜がテーマの恋愛詩集明矢繭花ユーザレビュー:Amazonアソシエイト by
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3月の詩

ぼくは馬鹿だから… 3月という字を見ただけで幸せになる だから、3月になると カレンダーをすぐにめくる いきなり31日までびっしりある 桜はまだまだ先なのに もう心の中では咲いている できるなら 大声で町中の人に叫びたい 「春をつかまえたぞ―――」って だって、ほら… …
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2月の詩

おやっ、2月がお嫌いですか? なんと、そちらの方も…。 なるほど、一年中で一番寒い! それから、28日までの短い月だし。 うるう年だって29日まででしょ? 2日も3日も短いなんてどういうこと! あらら、そちらのあなたも2月はお嫌いですか? 1月はまだめでたいからいいけど2月は地味で暗いから…。 …
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自作詩「お風呂の花火」

ボワン、プルプルプル…! ブロン、ぷ、ぷ、ぷ…! 大きいアワがいきおいよくはじける そのあと小さいアワがいくつかはじける おさない頃の娘たちは パパ、きたない! とか言いながらも笑っていた お風呂の花火 さぁ、いくぞーと発射してみる 誰ももう笑ってもくれない 老人が…
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自作詩「生きてることは」

生きてることは哀しい 生きていること自体が哀しい 老いることが哀しい 食べないと腹が減るのが哀しい 悲しいことがあっても寝てしまうのが哀しい 他人と比べて、劣ることが多いのも哀しい 金のないことが哀しい 誰かに愛されてるという実感に乏しいことが哀しい 言葉で優しくされることが哀しい …
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自作詩「蛾よ」

蛾よ 蛾よ 階段の踊り場で こっそり死んでいる小さな蛾よ お前はいつからそこにいるんだい? どうして死んだんだい? どうやら踏まれて死んだわけではなさそうだ 外では、広報放送が「大型台風の接近」の警報を告げている 10月も下旬の秋の台風 雨音もだんだん激しくなっている この家で…
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自作詩「痛い」

人はどうしてこうも痛みに弱いのだろう 上から順に 目が痛い ドライアイ 歯が痛い 親知らず のどが痛い 叫びすぎ 肋骨が痛い 運転中に体をひねった ふくらはぎが痛い 昨日、就寝中に足がつった 足の小指が痛い 爪がほんの少しはがれかかってる 痛い、痛い …
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自作詩「海のしょっぱさ」

あぁ、昔はな、海はそこまでしょっぱくはなかったのさ そりゃあ、塩水だからしょっぱいのはしょっぱかった でも、いまみたいに嫌なしょっぱさではなかった もっと澄んだ味だったさ いつからだって? そうさな、人間たちが海で死に始めたころからだ 海で死んだ人間たちはみんな無念の思いを海に流した その無念さ…
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自作詩「さびさびのノコギリ」

物置からさびさびのノコギリが出てきた ジャックナイフのような二つ折りのノコギリ 静脈色の塗装が新品のように光る この家がまだ新築の色をとどめていた頃 庭木を切るために買ったノコギリ 切れ味抜群だった でも、使わなくなってどれくらい経つのだろう 使われなくなったノコギリは 物置の片隅で何十年…
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自作詩「みおさめ」

ピンク色に染まった夕焼け空 明日までの命と知っていたら、どう見えるのだろう 見納めの景色はさらにきれいなのだろうか 病院の窓から 車の運転席から 自分の部屋の窓から 学校の窓から 工場の窓から いったい、どれくらい大勢の人がこの空を見上げているのだろう もの凄い数の人々 中には…
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自作詩「ホオズキと夏雲」

父はホオズキを鳴らすのが上手だった 幼いころ、ぼくも一生懸命鳴らしてみた うまく鳴らすコツも教えてもらった でも、とうとうコツをつかむことはなかった 姉も兄も上手に吹けたのに僕だけはダメだった だけど、お盆の日、ホオズキを手にすると あの不思議な音色がよみがえる ビービーブーブーという …
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自作詩「リセット」

夏の空 白い雲 芝生のみどり 「出来もしないくせに」 くさくさした気持ちが乾いていく 夏の明るさで乾いていく 夏はいい 夏のあの空の青さが 心を蘇らせる やっぱりやってみよう できなくてもいいから …
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自作詩「記憶のかげろう」

夏草が過去の記憶をむせ返す 線路は一直線で過去へつながっていた ここから叔父は沖縄へと向かって行った クラスメイトは 先生に肩をたたかれながら 集団で大都市へ向かっていった 70年の記憶 夏草が過去の記憶をむせ返す 記憶のかげろうが立ち昇る 若い父の姿が見える 若い…
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自作詩「おだやかな初夏の陽射し」

おだやかな初夏の土曜日 妻の吹く篠笛の音色 干してある布団から日光の匂いがする お隣のKさんと窓越しに話をする 「もう夏ですね」 「でも、まだ風が快い」 その時、サッと爽やかな風が通り抜けていった 2017年5月20日土曜日 戦争の影なんて微塵も感じない そんなおだやかな初夏の一日だ…
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自作詩「待ち合わせ」

人形の会の方と待ち合わせ 中年女性のお二人が来るはず ぼくは、出来立てホヤホヤのDMを持って 待っている 持って、待っている 持って、待っている 持って回った 言い方はよくないな 遅い 単純に遅い 1時にふたりが来るはずなのに どうして遅い? おっ! これ…
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自作詩「一輪の花へ」

ね、ぼくの庭に咲いてくれた君 すごくいい笑顔だよね どうして人間って そういう笑顔でいられないのだろうね 知ってる? いま、日本だって戦争に巻き込まれかねないらしいよ どっちにしろ戦争が実にバカバカしい結果しか生まないって、人類は知っているはずなのに 両者、やる気満々なんだって やっぱり、…
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自作詩「ひとつの事実として」

ひとりぼっちの日曜日の朝 愚か者の老人は 起き際に、足先にズボンをひっかけて起きてみた 昔はこれでズボンがするりと脱げた でも、なぜだかできない 何度かやってみたが、できない 挙句がバランスを崩して、顔をベッドに打ちそうになった 老人は嗤ってこういった 最近のズボンはいけない ズボン…
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自作詩「驟雨」

雨が冷たくて払ったわけじゃないのです そのことばが嫌だったから 雨をふり払って それまで抱いていた想いも いっしょにふり払ったんです
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自作詩「時」

ぼくはいつも泣いている 何か寂しくて泣いている 楽しくっても寂しい 美味しくっても寂しい 幸せなはずなのに寂しい どこかいつも肌寒い風が吹き抜けている そんな感じで生きてきた どうしてこんな気持ちで生きるのか父に聞いた 父が教えてくれた 人は時の流れの中で生きてる限り哀しい生き物なん…
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