テーマ:紙芝居

手のぬくもり(16)

こんな風に悔いなく、父さんを送ることができたのは、母さんのお陰だとつくづく思います。 曙美さんは、強くそんなふうに思っているそうです。 六歳の曙美さんの手にしっかりと残された手のぬくもり。 あれがあったからどんな時も頑張れた、と曙美さんは振り返ります。 お母さんの手のぬくもり。 優しさと我慢強さと、そして、他にもたくさ…
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手のぬくもり(15)

「すまないね。忙しいのに見舞いに来てもらって」 「なに言ってるの。熱は下がった?」 十五年間、二つのがんと闘い、入退院を繰り返したお父さんが、八十六で亡くなる前日、曙美さんにこう言ってくれた そうです。 「曙美、ありがとう。幸せだったよ、母さんの分まで………」 …
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手のぬくもり(14)

「結婚式の席上で、生きていたらきっと母さんが座ったであろう、父さんの隣の席を眺め、 『あー、母さんが今ここにいたら』と何度思ったことでしょう」 でも、曙美さんは、それを決して口にはしませんでした。 男手ひとつでお母さんの分まで頑張って、曙美さんとお姉さんを育ててくれたお父さんに申し訳なかったからです。  そんなお…
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手のぬくもり(13)

でもね、曙美さんは決してお母さんのことを忘れたわけではありませんでした。 小学生の時、クラスでただ一人、白いカーネーションを胸に付けられた母の日。 中学生の総合体育祭で、リレーの選手に選ばれ、アンカーで一着でテープを切った日。 お母さんが望んでいたという女学校へ無事合格した日。そして…。 …
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手のぬくもり(12)

「わたしにも、姉さんにも、そして、あんなに大好きだった父さんにさえ、「さようなら」も言わずに、三十六歳という若さで………。 わたしは父さんが火葬場で、声を上げて泣いているのを見たとき、すごく可哀想で、父さんのためにいい子になろうと誓い、それまでのなき虫から卒業しました。 そして、あの日から、母さんを恋しがることもしませんでし…
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手のぬくもり(11)

そんな曙美さんにお母さんは、文房具屋さんで鉛筆を買ってくれたそうです。 「一生懸命、走ったごほうびだよ」 「そう言って、渡してくれた鉛筆がどんなに嬉しかったことか。そして、そのあとつないでくれた母さんの手の温かかった感触を今でも忘れることができません。 わたしが母さんのことで覚えているのは、残念ながらこの二つだ…
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手のぬくもり(10)

初めての運動会。わたしはこの日も泣きながら母さんと手をつないで歩いていました。三歳上の姉は、かけっこで一等 賞になり、賞品の鉛筆を私に見せびらかして得意顔でした。 わたしはといえば、びりっこで、そのうえ転んでひざをすりむき、足を引きずって歩いていた気がします。 …
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手のぬくもり(9)

> 「今年の桜は遅いわねぇ。でも大丈夫。桜は必ず咲くから。きっと咲くから」 「泣き虫で、手がかかり、発育も普通の子より少々遅れていたわたしを桜に重ね合わせてみていたのでしょう。 母さんはその時、つないでいた手に、ぎゅっと力を入れてくれました。 あの時、わたしは、…………。 このまま、ずーっと母…
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手のぬくもり(8)

しっかりと手をつなぎ、ゆっくり遠回りをして、学校まで歩いてくれたんですって…。 途中、お堀に沿って植えてあった桜の一番大きな木の下で、足を止め、お母さんはつないだ曙美さんの手を桜の方へ上げました。 …
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手のぬくもり(7)

「イヤー―――! こんなのいらない。学校へは絶対に行かない!」 きっと、大変な苦労をして買ってくれたであろう真新しいランドセルを横目に、曙美さんは泣き叫び、みなを困らせました。 そんな曙美さんをお母さんは、どうやって家から連れ出したのでしょう? …
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手のぬくもり(6)

曙美さんには、何十年経っても、鮮明に思い返される思い出がありました。 「六歳の私を残して、母があの世に旅立って、もう半世紀以上たつというのに、記憶力のあまり良くない私が、こんなにも鮮明に覚えているというのは、母さんとの思い出が数少なく、それだけ大事に胸に秘めていたからだと思います。 母さん、あの日も雨でしたね?」…
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手のぬくもり(5)

「バス、うーんとうーんと遅いほうがいいよ。そうすれば、こうやって、おばぁちゃんと、いつまでも手をつないでいられるもん!」 そういって、嬉しそうに笑うと、握っていた手をぎゅっと力を入れたそうです。 曙美さんは、その時、昔のことが急に、パーーーッと思い出されました。 「母さん、わたしもこうして母さんの手をぎゅっと握りま…
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手のぬくもり(4)

「遅いねぇ。どうしたんだろうね? おばあちゃん、今日はすごく忙しいんだけどなぁ。美容院も行きたいし、おじいちゃんのお薬も病院にもらいに行かなくっちゃいけないから、遅くなると、ホント…困るんだけどねぇ」 まだ五歳の孫娘に、そんな愚痴を言ったところで、どうなるわけでもないのに、と曙美さんは思ったそうです。 でも、茜ちゃん…
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手のぬくもり(2)

このお話は、お母さんの手のぬくもりをテーマにしたものです。 みなさんは、覚えていますか? あなたのお母さんの手のぬくもりを…。
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手のぬくもり(3)

「ね、おばあちゃん…雨、やまないね」 「ねぇ、やまないね。今日は一日中、雨だってよ。茜ちゃん、濡れないように、ちゃんと傘さして行ってね」 「…幼稚園バス、遅いね」
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手のぬくもり(1)

ここから、ぼくがつい最近紙芝居用に作った「手のぬくもり」を、紙芝居風に、一枚めくるごとに、更新していきます。 A 曙美(あけみ)    B 語り手         ※ナレーター C 母さん D 父さん                E 茜(曙美の孫) 表紙 読み 「手のぬくもり 原作 中…
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