水の手紙

ぼくは朗読サークルを主宰しているから、いつも朗読のネタを探している。

そこで、思わぬものを見つけるときがある。

今回は、面白い小説とか随筆を探して、井上ひさしの著作を見ていくうちにこれにぶつかった。

タイトルは、「水の手紙」。

副題に、群読のためにと小さく記してある。

朗読用の作品なんだということで、さっそく読んでみた。

そして、こういう記述を見つけた。

単純だと思われそうだが、この一行でいつか朗読カフェなどで読まないとと思った。



青年 「地球は青い青い水の玉、いまにも水がしたたり落ちてきそうな、大きな青い水玉に見えるんだ。」


全員 「たしかに…
     地球の表面積の三分の二が海です。
     水でもりあがった海です。
     そして…
     その海から人間の祖先たちが
     陸にあがってきたのでした。
     わたしたち一人一人にしても
     おかあさんのおなかの中の海
     羊水からこの世に生まれてきたのです。
     そのせいで…
     わたしたちのどこもかしこも
     すっかり水でできています」

少年 「からだの60パーセントは水」

少女 「血液の80パーセントが水」

青年 「脳の80パーセントが水」

壮年 「つまり人間とは、水が洋服を着て、
     泣いたり笑ったり恋をしたり愛し合ったりしているようなものなんです」



なるほど、そうなのかと思われませんか?

つまり人間とは、水が洋服を着て、泣いたり笑ったり恋をしたり愛し合ったりしているようなものなんです。

自分の正体は水だ。

水が偉そうに威張ってみても、どうせみんなと同じ水でできてるだけだ。

循環する水、それが歴史なのだ。

そう思うと、いろんな謎が氷解する想いだった。

いいフレーズだと思われませんか?

水が洋服を着てる自分。

やけに納得がいってる。


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