笑った話-12

なんだろ、笑った話を10話書こうとしていた時には、ネタが思い浮かばずに苦労したが、終わって番外編と銘打ったら、突然アレコレ思いついた。

下ネタが多いのはぼくの不徳の致すところなのだろうが、元がそういう人間なので勘弁していただきながら思いついた時に綴っていこうかと思っている。

さて、今日のお話はさる飲み屋さんでのこと。

そのお店、栄のメンバーズクラブと言っても、カウンターとテーブルが2席の小さな店だった。

カウンターの中に女の子が2~3名いて、相手をしながら水割りとかを作ってくれる。

そこに当時19歳という触れ込みの「Mちゃん」という女の子がいた。

顔立ちも可愛く、なにより性格が明るいチャキチャキの子だったから人気もあったが、かなりの「おバカ」だった。

ある時、ぼくが何の話からそうなったのかは覚えていないが、日露戦争でいかに日本の陸海軍がぎりぎりの戦いをしたのかを熱く語っていた。

その話の最後に、彼女がわざわざぼくの前に立ってこう言った。

「すごい。わたし、初めてだった」と目をうるませて言うから、ぼくが話していた日露戦争の話に感動したのかと思って内心喜び、かつ照れていた。

そうしたら、次にこう言った。

「わたし、いろんなお客さん見てきたけど、日露戦争経験した人って初めてだった」

「????」

はぁー、あ、あ、あのさーーー、日露戦争経験した人って、オレいくつだと思ってんだよーーー!

心の中を言い知れぬ絶望感が覆った。

だから、つい「お前、あっち行け!」と口走ってしまった。

それからしばらくしてその店に行ったら、彼女がいない。どうしたのって聞いたら、「Mちゃん、ごろーさんに『あっち行け』って言われたのに傷ついてお店辞めたのよ」とママにさんざん毒づかれた。

でも、それから1ヶ月も経たないころに別のお店に彼女がいた。偶然だったから、こっちもびっくりした。

「きゃーーーっ、ね、ね、ごろーさんって日露戦争に行ったんだよね」。

だからーー。

周りにいた男性たちの困惑した顔がぼくを見ていた。

おまえさー、おれ、どんだけ反省したか、知ってんのか?

「なんで、あの店辞めたんだよ」、ぼくは声をひそめてそう聞いた。

その答えがまたふるっていた。

「だって、ごろーさんも言ってたじゃん。有利になるには思い切ったことしなきゃなんないって」。

たぶん、東郷元帥のT字作戦のことだろう。

ぼくの話が役に立ったのかどうだったのか分からない。

でも、口にこそ出さなかったがこう思った。

「お前、あっち行け!」






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