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zoom RSS 笑い話「モロゾフの犬」

<<   作成日時 : 2018/11/29 10:25   >>

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デイサービスで次の落語会の打ち合わせをしていた時、髪が真っ白のご婦人がのぞき込んで来られた。

「はい?なにか?」

ぼくは訝し気にその方の顔を見た。

そのご婦人は、ニッコリ笑われて、「そのモフモフ、気持ちよさそうですね」とおっしゃる。

その指の先にあるのは、ぼくの隣りに置いてあった、毛皮の首巻だ。

数週間前、ロシアを旅行してきた甥っ子からプレゼントされた首巻だった。

「えぇ、気持ちいいんですよ」、そう言って、そのご婦人の手の前に差し出した。

いかにも愛おし気な手つきで毛皮を何度か擦られた後、こうおっしゃった。

「わたしね、こういうモフモフの毛皮を触ると、条件反射で、なぜか紅茶が頂きたくなるんです。ほら、なんとかの犬っていうじゃありませんか?あれっ!」

「あぁ、なんでしたっけ?わかります。パードレの犬みたいなやつでしたよね?」

友人のK君が言った。

「ポフポフの犬?」「カラフトの犬?」

「それ、ただの樺太犬じゃん。もっとゾンビみたいな感じじゃなかった?」

「バンパイアの犬?」

いろいろ言って、みんな違うと言っていた時、そのご婦人が声をはりあげて、「モロゾフの犬!」。

みんな歓声を上げた。

「そうだ、モロゾフの犬」。


一件落着かと思われたその時、ぼくの隣りにいたそこの施設の若い介護士さんが、ポツリとこういった。

「モロゾフって、洋菓子屋さんじゃない?」

「それ言うならパブロフの犬でしょ!」


わかってたんなら先に言えよ。

白髪のご婦人、押し黙ったまま去って行かれたじゃない。


だけど、それからそこで紅茶が出ると、「モロゾフ・ティー」とみなが言う。

なんかおいしそうな響きだから、みな疑いもせず、そう呼んでいる。

ふつうのダージリンなのだが。

で思った。

この調子でいくと、ここの人たちは、ダージリンティーをいただくと、きっと「モロゾフ」が思い浮かぶようになる。

モロゾフの犬のように。



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コメント(4件)

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条件反射、パブロフの犬、その昔に生物の時間に倣いました。モロゾフの犬も似たようなものでしょう。jiseiもすっかり忘れていました。
jisei
2018/11/29 16:54
ね、みんな学校で習ったことですよね。

でも、これが、年をとると他人の名前と一緒でなかなか出てこない。
「モロゾフの犬」と言われた時は、みな一瞬、そうだって思ったんです。
パブロフもモロゾフもロシアっぽいですものね。
ごろー。→jiseiさん
2018/11/30 11:17
読みながら、大笑いでした😆
私も読みながら、「あれだよ、あれ!」って思いながら、パスカビルって名前が浮かんで来ました。 シャーロック・ホームズのお話にでてくる「パスカビル家の犬」が、頭のどっかにあったようです(一字しか合ってない)。
歳と共に そんな間違いが増えて来ました!昔からか?!
わらび
2018/11/30 12:29
よかった。
わらびさんだけでも笑っていただけて。
家内は、「ふーーん」だけでした。

「パスカビル家の犬」?
すみません、知りません。
ぼくの友人は、「フランダースの犬」って言ってました。みんなから「それは違うでしょ」って突っ込まれていましたが。
それぞれ印象に残った犬の名前しか出てこないんですね。
ごろー。→わらびさん
2018/11/30 15:05

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