こんなぼくが輝いた瞬間

踊るさんま御殿を見るともなく見ながら夕食を食べていたら、表題のような感じのテーマが出されていた。
実は、つい先ごろこんな経験をした。

久しぶりにイベントプロデューサーの友人と共通のクライアントの近くまで来たので、二人で寄って行こうという話になり、そのビルを目指した。

そのビルのド真ん前には、狭い道路を挟んで、こじんまりとしたガラス張りの小洒落た喫茶店がある。
ここで昔はクライアント先のS君と三人、何かといえばお茶をしながらダベッたものだ。
ぼくは、ここのロールケーキが大好きで注文はだいたいケーキセットだった。
しかし、その頃、S君はあまりにもそこに入り浸っていたのを上職に咎められ、そこを打合せに使うことは禁じられてしまった。不思議なもので、そんなことがあってから徐々に仕事での行き来もなくなった。
懐かしく思いながら、我々は2Fの受付を目指した。

S君は、概ね社内にいる奴なのでアポも取らずいきなり訪問したのだが、受付で聞くと留守だという。
「S部長だとよ…偉くなったもんだ」、プロデューサー氏のボヤキを背中に聞きながら階段を降りた。
そして、ふっと目の前を見ると、喫茶店の窓越しにこっちに手を降っているS君がいた。
(なーんだ、そこか…)

そこで、ぼくは大声で叫んだ。
「何やってんだ、お前!」
西森塾以来、いろんな発声法を車の中でやってきたから、結構ドスのきいた大声が出た。

その瞬間、コンビニの前あたりにいた若者が二人、びっくりしたような感じで走り去っていった。
そこに残った女子高生二人が、ぼくの所に走りよってきて口々に言った。
「ありがとうございました」
「本当にありがとうございました、助かりました」

瞬間、意味がわからなかったのだが、どうやらカツアゲでもされていたらしい。
目の周りを金粉でキラキラさせた女の子からすがるような視線を送られた。
「いやーっ、いいってことよ…」、
ぼくはまさしくそんな感じで彼女たちの視線に答えた。

プロデューサー氏が会釈しながら去っていく、彼女たちを見送りながらこう言った。
「T、お前、カツアゲされているって、よくわかったな」

胸をはっていい気になっているぼくは、本当のことはとても言えなかった。
「どうしたんだ」と言いながら出てきたS君もごまかしながら、促して喫茶店に戻った。
間違いなく、あの時はこんなぼくが輝いた瞬間だったと思う。



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黒石 和宏

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この記事へのコメント

チャーリーと…
2011年09月06日 23:48
ごろうの旦那、人助け。さすがおとうさんだ。
炊飯器
2011年09月07日 07:19
わぁ…☆流石はわが町の頼れるお父様!素敵です。

あーちゃん
2011年09月07日 23:07
良いことしたね(^-^*)ごろうさんの素敵な声が女子高生を救ったんだね。私も西森さんのws以来、車に乗ってる時にお腹に意識を持っていって歌ったり、発声練習しているよ~o(^-^)o

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